春のお散歩で許可が出た
例年にない急激な暖かさで去年より早い春を感じ始めた3月の最終日、そろそろ山里は春の花が咲き始めている頃かしら、と相方さんとふたりでいそいそと下界へドライブに行った。
下界というのは韮崎・甲府方面のことで、私の住んでいる小淵沢は標高が890mくらい。
高尾山よりも高くまだ春が来るのはもう少し先。
この日も気温が高くて車の窓を少し開けながらの気持ちのいいドライブ♪
時々車で通る野山に囲まれた道からの眺めが素敵で、ああ春になったらきっとここ天国になるかも、と思っていた場所。
八ヶ岳連峰を背景にした畑に無造作に植えられている梅の木たちが期待通り見事花を咲かせていた♪
車を少し先のスペースに止めて、てくてくと車道を歩いて畑道のような野原のような所にこっそり入ってみた。
大好きなオオイヌノフグリが沢山足元に咲いていてそれだけでああ、嬉しくなってしまう!
梅の木は広い畑のあっちの方までずっと続いていて赤やピンクや一番手前のは黄緑色!
ああ素敵ねえ、とため息をつきながらしばし撮影タイム。
心地よいお日様の光と柔らかな風と春の草の匂いに幸せを感じる。
こんな素敵な日にのんびりと大切な人と一緒にお散歩して大好きな植物を愛でることができるなんて本当に天国♪
相方さんがふと「そうだ、咲いてるかも」と車に戻ると予定とは違う見慣れない道を突然走り出した。
景色が平らの道を走りながらも、途中珍しい実がついている木を見つけるとすぐに車を止めて一緒に降りて見てくれたり、とにかく相方さんの行動力には瞬発力が伴う。
私だったら車止めるのが面倒くさいからすごく気になっていてもそのまま通り過ぎてしまうところ。
こういうところは本当にすごいなあと思う。
そんな相方さんが連れて来てくれたのはなんとカタクリの群生地。
どこにでもあるような草むらの中にきれいな紫色のカタクリの花があちこちに沢山咲いていた!
こんな自然な状態でこんなに一杯!!
ああなんて可愛いのかしら***
またまた楽しい撮影タイム♪
そろそろお腹が空いてきたので腹ごしらえをしてから、甲府にある小瀬スポーツ公園なる所に立ち寄るともう桜が満開!!!
土曜日だったのでそこそこの花見客と出店もあって、でも東京みたいな混み具合ではないので広い敷地の中ゆっくり遊歩道を歩きながら桜を眺めてお散歩&撮影タイム♪
ああ、楽しいな~♪♪
これをしたかったんだ~♪
前日東京の八王子へ仕事で行ってきたのだけれど、ちょうど桜がどこもかしこも満開で今年初の桜は綺麗だったけれど、でも感動をシェアできる相手がいなかったので正直つまらなかった。
やっぱり綺麗だな~って思ったり素敵だなって嬉しくなった時にその感動を同じように分かち合える人がいるって、本当に人間にとって幸せなことなんだなって改めて感じてしまった。
駐車場へ戻ると通りの向こうに濃いピンク色の塊。
「あ、桃の花かも」と相方さんが言うので道路を渡って近づいていくと何と桃の花も咲いていた~♪
梅、桜、桃♪♪♪
るんるん気分で甲府で色々お店を見てまわりながら、ネパールカレー屋さんで夕食を食べてから韮崎のわに塚の夜桜ライトアップへ向かう。
TVで色々取り上げられてから凄い人出になって、昼間は近づけないほどの大人気になった1本桜だそう。
夜は比較的すいているそうなのでおりしも今宵は満月、ここがこの日の大本命!
桜はライトアップをすると目を覚ましてしまうそうなので(そりゃそうよね)、古木なのでできるだけ大切に守りたいという人たちの配慮で、ライトアップは夜20時15分まで。
到着したのがぎりぎりだったけれど何とか間に合った。
てゆうか、大きい~・・・!!!
だってフレームに全部収まらない。
なんて大きくて立派な樹!
大木やご神木を見るとその長い年月の間にどれだけの人たちがこの樹を見てどんな思いをはせたのか、勝手に想像して胸がきゅうっとなるのだけれど。
ああ、あなた様は何百年もここにずっといて、この土地をずーっと黙って見守り続けてきたんですね。
素敵ですねえ。
自然と敬語になる笑。
皆さん、満月と桜を撮ろうと三脚立てて構えている。
私もため息をつきながら頑張って携帯で撮ってみた!
でも雲間から覗く満月って本当に幻想的だ。
それにこの妖艶、神秘的な1本桜。
なんて素敵な夜なのかしら!!!!
この日1日の積み重なった小さな幸せがこの時クライマックスに達した笑。
ああしあわせすぎる♪♪♪
最高潮に幸せを感じながら相方さんの腕をつかんで駐車場へ向かう。
あ、私今死ぬほど幸せだ。
ふとそう感じた。
私が欲しいものってこれだったのかな。
人を癒したいっていつも願いながら、それは自分のエゴだと気づかされたつい最近。
じゃあ、本当は何がしたいの?
そんなことを自問自答していた数日間。
自分が幸せになりたい。
自分がちょー幸せになって、そのことで他の人も幸せになったらそれが最高!
本気でそう思い始めたのは桜を愛でていたほんの数時間前。
いつの間にか自分より人を、って順番が逆になっていた。
人のことよりもまず自分がとにかく幸せになる。
私自身が心から幸せを感じて生きていくことで、「それを見た多くの人が自分もそうなりたいと思う、それもすなわち世の中に良きことをする一つのことである」。
以前にそう言われたことがあった。
先日クレッグさんにも同じことを言われた。
頭ではわかっていても、どんなに幸せになるって思っていても、実際それがどういうことかまだ理解できていなかったのかな、とふとこの時思ったのです。
声に出して言うことが何か後ろめたいという気持ちがどこかにあったのかもしれない。
本気で幸せになりたい、幸せになる!
ううん、今すごく幸せ!!!
東京から八ヶ岳に引っ越して丸1年。
ようやく自分に「幸せになるという許可」を出せるようになってきたのかもしれない、なんとなくこの日そう思ったのです。
春のお散歩で改めて気づかされたとても大切なこと。